どうも、いとととです。
お久しぶりです。今回はWater Walkで久々に記事を書かせていただきます。
まず簡単に自己紹介を。
僕は、かつて『タモリ倶楽部』の人気コーナー「空耳アワー」で常連投稿者として活動していました。全賞品(手ぬぐい、ミミかき、Tシャツ、ジャンパー、メガホン)をコンプリートしており、しかもジャンパーはなんと2着も獲得しています。
前回の記事では、「ビートルズで空耳を創る方法」を紹介しました。
今回は少し趣向を変えて、僕が実際に空耳アワーで採用された空耳作品を振り返ってみようと思います。
これまでにいとととは通算19回採用されています。
さらに、放送されなかった幻の空耳が2本存在します。
幻の空耳とは、VTRも完成していて、タモリさんも安齋さんもすでに映像を観ているのに、放送ではカットされてしまった空耳のこと。
なぜそんなことがわかるのかというと、放送中に僕のハガキが確実に置かれているのに、その回で放送されないときがあるからです。
そういうときは、収録には出たけど編集でカットされている、というわけです。
ということで今回は、採用作品19本と、カットされた2本を合わせた「いととと空耳史」を振り返っていきます。
まずは2014年に採用された空耳から紹介していきます。
① ハッハッハッハッハッ ヒザ痛いわ

放送日:2014年2月21日
アーティスト:ボン・ジョヴィ(Bon Jovi)
曲:ラヴ・フォー・セール(Love For Sale)
評価:ミミかき
初採用!
2014年に僕の空耳が初めて採用されました。
親が持っていたボン・ジョヴィのCDで見つけた空耳ネタです。
この空耳、たしか2014年の1月に投稿して、2月に放送されました。
当時、「空耳アワーは投稿から採用まで最低でも3か月はかかる」と言われていたので、「早!」と思ったのを覚えています。どうやら、たまたま早く採用されたパターンだったようです。
そして何より印象的だったのが、タモリさんがやたらとツボに入っていたこと。
「もう一回見てみよう」とリピートしてくれて、そのあとに「言い方もいい」「俺これ気に入った」と大絶賛。初採用でミミかきをいただきました。
② あの鉛筆 3B

放送日:2014年2月28日
アーティスト:ビートルズ(The Beatles)
曲:ラヴ・ミー・ドゥ(Love Me Do)
評価:ミミかき
こちらは、いとととが二つ目に採用された空耳です。
なんと前回の放送の翌週、つまり二週連続で採用されました。
この作品は、以前Water Walkの記事でも紹介したように、ビートルズの「Love Me Do」 で採用されたものです。
放送冒頭、安齋さんから「次は楽しみですよ」と紹介され、タモリさんからも「挑むねぇ〜」とコメント。やはりビートルズというだけで、少しハードルが上がっていました。
そしてVTRが流れたあと
安齋さんが笑いながら「くだらねぇww」と一言。
タモリさんも「これ違うだろ!w」とツッコミ。
でも、「よく挑みました」と評価していただき、結果はミミかき。
なんと、2回連続でミミかき評価という嬉しい結果になりました。
そして、この作品をきっかけに、「ビートルズで投稿したらウケるな」とすっかり味をしめることになるのです・・・。
そして、ちょっとした裏話を。
このとき獲得したミミかき、実はまだ届いていません。
とはいえ当時の僕は、「どうせこのあともミミかきなんてたくさん手に入るだろうし、そのうちもっと上の賞品ももらえるはず」と、すっかり余裕の構え。制作会社のハウフルスには「ミミかき届いてません!」という連絡はしませんでした。
③ 静かな地域つらい 静かな地域つらい 静かな地域つらい 死んどけ

放送日:2014年5月2日
アーティスト:ビートルズ(The Beatles)
曲:涙の乗車券(Ticket To Ride)
評価:ミミかき
3本目の採用も、すっかり味をしめたビートルズから。前回から3ヶ月の時を経ての採用です。
曲は『涙の乗車券(Ticket to Ride)』。
この空耳は、聴いていて見つけたものではなく、自転車に乗っていた時にふと浮かびました。
サビを口ずさんでいたら、なぜか突然「静かな地域つら〜い」と歌ってしまったんです。
家に帰ってから改めて聴いてみると……本当にそう聞こえる!
「たしかに静かな地域つらいだ!」と確信しました。
ただ、「静かな地域つらい」を3回繰り返すだけでは弱い気がして、SHIE DON’T CAREの部分を強引に「死んどけ」に変換。
さらに投稿ハガキでは、宛名の「空耳アワー係」の“係”の字だけをバカでかく書くという悪ふざけまでやりました。

「こんなんで本当にいいの?」と思いながらも、勢いで投函。
結果は見事採用!
VTR後、タモリさんも安齋さんも「ひどいなこれ!」と笑いながらお叱り。
でも最後には「面白かった」と言ってくださり、評価はミミかき。
これでなんと、3回連続ミミかきです。
嬉しい反面、さすがに「そろそろ手ぬぐい欲しいな」とも思いました。
空耳アワーでは手ぬぐいが一番多く出ると言われているのに、まだ一度ももらえていない状態です。
そしてこの空耳、放送後にネットでも反響をいただきました。
「ジャンパーでもよかった」「ビートルズで空耳を見つけるにはこれくらい耳が柔軟じゃないとダメ」「この大胆さを見て、自分は自由に生きられてないと思った」
そんなコメントの数々が本当に嬉しかったです。
④ アゴ 落ちそう

放送日:2014年5月23日
アーティスト:ディープ・パープル(Deep Purple)
曲:リック・イット・アップ(Lick It Up)
評価:手ぬぐい
4回目の採用は ディープ・パープル。
そしてついに初の手ぬぐい評価!
4回目にしてようやく手ぬぐいを獲得できました。
本当に嬉しかったです。
ただ、タモリさんの反応はあっさり。
やはり手ぬぐいという評価だけあって、リアクションも控えめでした。
と、ここで2014年に採用された僕の空耳は以上になります。
まだ半年以上も残っていたのに、その後まったく採用されなくなってしまったのです。
当時の僕は、ビートルズの強引な空耳という飛び道具で注目され、飛び道具の割には高評価が続いたこともあり、「スタンスが気に入らない」 と批判を受けたりするようになってしまいました。
その影響もあって、自分は必要以上に尖ってしまい、
「聞こえるだけの空耳なんてつまらない。聞こえない空耳こそが本当に面白い。ジャンパーを取るなら、それくらい尖らないとダメだ」
と思い込み、どんどん先鋭化してしまいました。
その結果、「聞こえない空耳」を量産。
1か月に70枚以上投稿した月もありましたが、そこからまったく採用されなくなってしまいました。
投稿してもまったく採用されない。
そんな長い冬の時代を、僕はここから約11か月も過ごすことになります。
2014年の空耳アワー成績
採用回数:4回
獲得賞品:
ミミかき × 3
手ぬぐい × 1
⑤ 童貞発言

放送日:2015年4月17日
アーティスト:クイーン(Queen)
曲:プレイ・ザ・ゲーム(Play The Game)
評価:手ぬぐい
ついに、11か月ぶりの採用。
長かった……本当に長かった。
アーティストはクイーン。幼少期から聴いていた、本当に好きなアーティストです。
そんな幼少期から聴いていた曲で「童貞発言」。
この空耳、実は2013年の11月〜12月ごろにはすでに見つけていました。
ただ、「聞こえるけど、どうかな…」と自信が持てず、ずっとお蔵入りにしていたもの。
ふと思い立って投稿してみたら、まさかの採用。
11か月という長い空白期間を、ようやく打ち破ることができました。
(童貞発言で)
映像も面白く、放送では安齋さんが大笑いしながら「ああ!言ってるぅ!!」とリアクション。
しかし結果はあっさり手ぬぐい。これで手ぬぐい2枚目です。
⑥ 棚の裏に オッサンいるっぽい

放送日:2015年5月29日
アーティスト:シンディー・ローパー(Cyndi Lauper)
曲:チェンジ・オブ・ハート(Change Of Heart)
評価:ミミかき
6作品目は、シンディ・ローパーの名曲、チェンジ・オブ・ハートから。
この回は、タモリ倶楽部本編が電車企画のとき、いわゆる「電車回」でした。
空耳アワーもその流れで、電車ロケに登場していたメンバーと一緒にVTRを観るという特別回。
そして、この電車回のときは、タモリさんの評価がちょっと甘くなるんです。
そのおかげもあってか、この作品は見事ミミかき。ミミかき4本目!
そしてここから、また投稿しても投稿しても、まったく採用されない日々が続きます。何枚出してもダメ。
「もう空耳アワーへの投稿、やめようかな」と思いかけたこともありました。
そんな停滞の中、ついに大事件が起こります。
⑦ なら できないじゃない!

放送日:2015年10月30日
アーティスト:ペインキラー(Painkiller)
曲:スカッドアタック(Scud Attack)
評価:NIGO特製ジャケット
久しぶりの採用。
そして、まさかのNIGO特製ジャケット(ジャンパー)獲得!
しかも、そのことを僕はネットで知りました。
当時、空耳アワーへの情熱は少し冷めかけていて、「まあ、一応どんな作品が出てるかだけチェックしておくか」と、軽い気持ちでTwitterを検索。
すると、「3年ぶりにジャンパーが出た!」と大盛り上がり。
「どんな作品だろう?」と思って流れてきたキャプチャ画像を見る。
……これ、僕の作品じゃね?
急いで動画を確認。
番組冒頭では
「今夜、3年ぶりにあれが出る!」
と煽りが。
おいおい、まさか……と思って見ていると、この回は例の電車回。
大勢のゲストたちが笑いながら空耳を見ている。
1作品目、違う。
2作品目、違う。
そして3作品目…出た。僕の作品だ。
しかもそれは、2015年に投稿した中で一番自信がなかった空耳。
「え、あれが採用…?」
その空耳で、スタジオが大盛り上がりしている。
元の歌詞は
WHY DON’T YOU GIVE IT TO ME
なのに、
「なら できないじゃない!」
にしか聞こえない、とスタジオも騒然。
ネットでも「農協牛乳(空耳アワーの名作)以来の元の歌詞との乖離っぷり」と話題に。
映像はすごく短くて、シンプル。
まるで素材の味で勝負しているような映像でした。
そして、タモリさんが「すごいねぇ。もうこれあげちゃおうか」と言いながら、NIGO特製ジャンパーに手をかける。

タモリさん「誰だこれ?」
安齋さん「愛知の伊藤くんです」
タモリさん「おめでとうございます(僕のハガキを掲げながら)」
一同拍手。
こうして、僕はついにジャンパーを手に入れました。
しかも、NIGO特製ジャンパーなので、世界に1着のデザインのジャンパーです。このデザインを持っているのは世界で僕だけです。

本当に驚きました。
なにせこの空耳、自分の中で一番自信がなかった空耳でした。
僕は普段、見つけた空耳はすべてメモを取るようにしていました。
でもこの空耳だけは、メモすら取らなかった。
取るほどの価値もない、たいしたことのない空耳だと思っていたんです。
というのも先ほども書いたように、当時の僕は
「聞こえるだけの空耳なんてつまらない。聞こえない空耳こそが本当に面白い。ジャンパーを取るなら、それくらい尖らないとダメだ」
そんな信念を抱いていました。
だから、この「ならできないじゃない!」という空耳を見つけたときも、「ただ聞こえるだけの空耳じゃん」と思っていました。
一応見つけたから投稿したけど、「こんなのじゃ通用しないだろ」と本気で思っていました。
そんなしょーもないと思っていた空耳が、まさかの大化け。
しかも、安齋さんがVTRを観た後に「新しい!」とコメント。
僕は、自分を否定してくる人たちに対抗しようとするあまり、いつの間にか思想が間違った方向にどんどん尖っていたんだ、と気付きました。
空耳はやっぱり、聞こえてなんぼですね。
⑧ 北九州

放送日:2015年11月6日
アーティスト:ゲイリー・ムーア(Gary Moore)
曲:ウィッシング・ウェル(Wishing Well)
評価:ミミかき
前回に引き続き、またしても電車回。
そして今回も、ちょっとした事件がありました。
空耳アワー開始前、冒頭で
「1週間ぶりに、あれが出る」
と煽りが。
そう、この回はあの名作「ナゲット割って父ちゃん」が放送された回。
つまり、二週連続でジャンパーが出た伝説の回だったのです。
そんな中、一本目の作品として僕の空耳が登場。
曲中に聞こえるフレーズは「北九州」。
あまりにもシンプルな空耳でしたが、この日は電車回ということもあり、タモリさんの機嫌も上々。
結果はミミかき評価。これで通算ミミかき5本目。
⑨ 1回目 4回目 9回目

放送日:2015年11月13日
アーティスト:レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)
曲:ブラック・ドッグ(Black Dog)
評価:ミミかき
名曲、レッド・ツェッペリンのブラック・ドッグでの空耳です。
VTRが明けると、安齋さんもタモリさんもすぐに反応。
「全然聞こえない!」「9回目とか聞こえないよこれ」と笑いながらツッコミ。
すると安齋さんがフォローするように
「これ、ツェッペリン世代じゃない人には、こう聞こえるみたいなんです。もう一回聞いてみましょう」と発言。
再び映像がリプレイされました。
2回目の視聴後、タモリさんが一言。
「だんだん聞こえてきたな!もう、これやっちゃおう」
なんと、ミミかき評価!
これで通算、ミミかき6本目!
(手ぬぐいはまだ2枚しか持ってないのに!)
それにしても、安齋さんのあの言葉(ツェッペリン世代じゃない人には〜)は何だったのでしょうか。
ツェッペリン世代のスタッフと、そうでない世代のスタッフで「聞こえる・聞こえない」論争でも起きたのでしょうか。
何はともあれ、ミミかきをいただけたのは本当に嬉しかったです。
そして、地味に三週連続での採用でした。それも嬉しかったです。
⑩ 座ったら メガネくれ~!

放送日:2015年11月20日
アーティスト:ジェームス・ブラウン(James Brown)
曲:ラッキー・オールド・サン(Lucky Old Sun)
評価:手ぬぐい
なんと四週連続採用!
そして記念すべき10回目の採用です。
映像も面白く、スタジオでもしっかりウケました。
が、結果はあっさり手ぬぐい評価。
ここまでミミかきやジャンパーが続いていただけに、「おや?」という感じもありました。
そして、この回を境にしばらく“手ぬぐい期”に突入します。
このあたりから、採用はされるものの、
特筆するようなトピックが少ない作品も増えていきます。
11 平仮名だ

放送日:2015年12月4日
アーティスト:レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)
曲:幻惑されて(Dazed And Confused)
評価:手ぬぐい
再びレッド・ツェッペリンでの採用。
結果はあっさり手ぬぐい。
ちなみにこの回の投稿ハガキでも、「空耳アワー係」の “係”をバカでかく書きました。

12 尼さんじゃん またじゃん またじゃん

放送日:2015年12月18日
アーティスト:ショーン・ポール(Sean Paul)
曲:マイ・ネーム(My Name)
評価:手ぬぐい
2015年、最後の放送での採用でした。
結果はあっさり手ぬぐい。
こうして、2015年の空耳アワーはここで幕を閉じました。
一時はまた不遇の時代を迎えるかと思いきや、まさかのジャケット獲得。
そこからは四週連続採用、高評価の連発と、一気に流れが変わった一年でした。
とはいえ、後半は徐々に手ぬぐい評価が増えていき、
絶好調の中にも少し落ち着きが見え始めた時期でもありました。
2015年の空耳アワー成績
採用回数:8回
獲得賞品:
NIGO特製ジャケット × 1
ミミかき × 3
手ぬぐい × 4
ここで少し小話を。
実は2015年の空耳アワーは、なぜか愛知県民が異常に強かったんです。
「空耳アワーアップデート」で見られる2015年の年間採用ランキングを見てみると、上位がずらりと愛知県民だらけ。

ほとんどの放送回で、愛知県の投稿が採用されていました。
こんな現象が起こったのは、後にも先にもこの年だけ。
なぜ2015年だけ、愛知県民がこんなに強かったのでしょうか。
そして、その愛知県勢の中で、いとととは全然採用されなかったのです。
村田さん、飛山さんといった愛知県民の常連が年間を通して次々と採用される中、僕だけはほとんど音沙汰なし。
しかし、10月30日にジャケットを手に入れてから、状況が一変。
そこから急に採用が続き、年間採用ランキングでは、下位から一気に4位に浮上しました。
あのジャケットをきっかけに、すべての流れが変わった一年でした。
13 性器に振動

放送日:2016年2月12日
アーティスト:ジョアン・ジルベルト(João Gilberto)
曲:許してあげよう(É Preciso Perdoar)
評価:手ぬぐい
2016年の初採用。あっさり手ぬぐい。
14 穴に挿したらいい
(画像なし)
放送日:2016年6月17日
アーティスト:ラムシュタイン(Rammstein)
曲:撃て!(Feuer Frei)
あっさり手ぬぐい。
ちなみにこの回は3本すべて愛知県民からの投稿で、そっちに驚きました。
15 もう 濡れてる 見て
(画像なし)
放送日:2016年8月26日
アーティスト:エディット・ピアフ(Edith Piaf)
曲:愛の讃歌(Hymne à L’amour)
評価:手ぬぐい
あっさり手ぬぐい。
まだ売れる前(売れかけ?)のみやぞんさんが空耳役者として演じてくれていました。
…しかし、なんか文字だけ見たらど下ネタに見える空耳ばかりが採用されるなぁ。
というわけで、2016年に採用された空耳はここまで。
ジャケットを取ってからは、「ここで投稿数を減らしたらダサいな」と思い、昨年以上に大量のハガキを送り続けていましたが、思ったより伸びませんでしたねぇ。
改めて、2016年は3作品の採用で幕を閉じました。
…と、言いたいところなのですが。
実はこの年に、採用されなかった幻の空耳が存在します。
幻の空耳とは、冒頭にも書いた通り、VTRまで完成していて、タモリさんも安齋さんも映像を観ていたのに、放送ではカットされた空耳のこと。
そして、その2016年の幻の空耳がこちらです。
【幻】 紅葉ない
(この動画の47秒から)
放送日:2016年11月18日(おそらく2本目)
アーティスト:ボン・ジョヴィ(Bon Jovi)
曲:ウィー・ワーント・ボーン・トゥ・フォロー (We Weren’t Born To Follow)
この空耳は、もともと2014年にも一度投稿していた作品です。
そのときは残念ながら採用されませんでしたが、言い方が気に入っていたので、2016年に再投稿しました。
すると今度は見事に採用しかし、放送ではカット。
つまり、究極の幻の空耳というわけです。
どんな映像だったのか、とても気になります。
ということで、幻の空耳を含めた2016年のいとととの空耳アワーはここまでです。
2016年の空耳アワー成績
採用回数:3回(+1回)
獲得賞品:
手ぬぐい × 3
カット × 1
そして2017年。
採用数こそ少ないものの、ここでまたしても事件が起こります。
16 あんた舐めろ もういいの? あんた舐めろ あんた舐めろ バニラあんた舐めろ

放送日:2017年6月2日
アーティスト:サンドパイパーズ(The Sandpipers)
曲:グァンタナメラ(Guantanamera)
評価:ジャンパー
なんと、まさかのジャンパー評価!
しかも、人生二度目のジャンパー獲得。
一人の投稿者が二度もジャンパーを取るのは番組史上初の快挙でした。
そもそもジャンパーは滅多に出ない。
一度出たら3〜4年は出ないのが普通です。
「空耳アワーアップデート」には常連投稿者の記録が載っていますが、僕より何十回以上も採用されている常連ですら、ジャンパーだけは持っていない。

※この表は、「このページ」の下部で見られます。
そんな激レア賞品を、僕が2回も。
しかも驚くことに、この作品は再投稿作品なんです。
最初に投稿したのは2015年。
そのときは「バニラあんた舐めろ」ではなく、「ヴァギナあんた舐めろ」。
採用されず。
そこで翌年(2016年)、「ヴァギナがダメなんじゃ?」と名推理、「バニラあんた舐めろ」に変えて再投稿。
しかし、3か月経っても音沙汰なし。
「これでもダメか」と思っていたら、7〜8か月後にまさかの採用。
しかもジャンパー評価。
この知らせを僕は、またしてもTwitterで知りました。
トレンドに「ジャンパー」と出ていて、
「お、久々にジャンパー出たのかな?」と思った矢先、知り合いの空耳ファンから「お前すげぇな」という旨のメッセージ。
慌てて確認すると、僕の作品がジャンパーに!
放送を観てみると、タモリさんが「違う!違うよこれは!」「グァンタナメラだよね」と笑いながらも、「これもうここ(ジャンパー)クラスだよね」と言って、ジャンパーに手をかける。
そのままぬるっとジャンパー評価に。
しかも今回もらえたのは、以前のNIGO特製ジャケットとは別タイプ。
タモリ倶楽部オリジナルの往年の空耳ジャンパー。
つまり、違う種類のジャンパーを2着手に入れたというわけです。
空耳アワー史でも前例のない、奇跡的な出来事でした。
2017年の空耳アワー成績
採用回数:1回
獲得賞品:
ジャンパー × 1
というわけで、2017年の採用はこの1作のみ。
これまで毎年2作以上は採用されていたので、たった1作だけというのは少し寂しい気もします。
とはいえ、その1作がジャンパー獲得回。
内容としては、十分すぎるほど大きな一歩でした。
そしてその翌年、2018年。
投稿頻度は少し減ったものの、ぼちぼち投稿は続けていました。
しかし、この年はついに一度も採用されず。
少し、胸にぽっかり穴が空いたような年になりました。
2018年の空耳アワー成績
採用回数:0回
そして2019年、空耳アワーに大きな変化が訪れました。
それは、番組のホームページからも空耳の応募ができるようになったこと。
それまで空耳アワーといえば、ずっとハガキ投稿一筋。
当時、ハガキは1枚62円。
常連投稿者の中には、1か月に30枚〜100枚以上も送る人がザラにいました。
当然、お金もかかります。
しかし、ホームページからの応募は無料。
これは本当に大きな変化でした。
その影響で、ハガキ投稿をやめてネット投稿に切り替える人も増えましたが、中には最後までハガキ投稿を貫いた侍のような常連もいました。
僕はというと、ハガキもネットも両方使う二刀流スタイルで挑むことにしました。
前年(2018年)は採用ゼロ。
そのリベンジもあって、2019年はかなり気合を入れて投稿することに。
と言いつつ、4月まではわりとダラダラ投稿してました。
しかし5月に突然スイッチが入り、6200円分のハガキ…つまり100枚のハガキを購入。
そして、これまでに見つけた空耳新作や、かつて投稿したけど採用されなかった空耳を厳選して一気に書き上げ、その日のうちに100枚まとめてポストへ投函。

しかし結果は、全て不採用。
どれだけ頑張っても報われない。
そこがまた空耳アワーの面白さです。
そしてこのあと、僕は6月から8月ごろにかけて、ハガキ投稿とネット投稿の両方を駆使しながら、なんと月に200個以上の空耳を送るようになります。
つまり、わずか3か月で合計600個の空耳を投稿。
もはや修行です。
そしてその努力がようやく実を結び、9月に1作品が採用されました。
17 わて合成なんかい? はぁ? わて合成なん!?

放送日:2019年9月20日
アーティスト:アシャンティ(Ashanti)
曲:ワット・アー・ゼイ・ガナ・セイ・ナウ(スキット)(What Are They Gonna Say Now (Skit) )
評価:ミミかき
久しぶりの採用でした。
大量に投稿した中から選ばれたのが、まさかのアシャンティのスキット。
「えっ、これか」という驚きもありました。
しかし放送では、タモリさんが「えぇ、なんだこれ!」と笑いながら反応。
結果は見事、ミミかき評価。
そして「この調子で次も!」と言いたいところなのですが、次の採用作品は、どうやら放送でカットされてしまったようです。
【幻】アキバのみんなメロン買う
放送日:2019年10月18日(おそらく1本目)
アーティスト:ジプシー・キングス(Gipsy Kings)
曲:バイモス・ア・バイラール(Vamos A Bailar)
ジプシー・キングスで見つけたこの空耳、どうやらカットされてしまったようです。
「あらら〜」という感じです。
どんな映像だったのか、今でもちょっと気になりますねぇ。
ちなみに、バイモス・ア・バイラールは過去に5作も空耳が採用されており、これが放送されていたら6作になっていたので、そこはちょっと勿体無いなと思いました。

※「このページ」で見られます。
そして、2019年に採用された空耳は、ここまでです。
実質1回のみの採用でした。
あれだけ大量に送ったのに!
2019年の空耳アワー成績
採用回数:1回(+1回)
獲得賞品:
ミミかき × 1
カット × 1
でも、そこがまた空耳アワーの面白いところなんです。
どれだけ頑張っても、報われない。
どれだけ曲を聴こうが、どれだけ投稿しようが、
そんな努力は一切関係ない。
仮に採用されて大ウケしたとしても、
もしその日のタモリさんの気分が悪ければ、平気で手ぬぐい評価にされてしまう。
そんな理不尽な世界です。
でも僕は、その理不尽さが面白かった。
運が100%の世界だからこそ、僕は熱中できたんだと思います。
もし努力がそのまま結果につながる世界だったら、僕はきっと、ここまで空耳アワーに夢中にはなれなかったでしょう。
そして、次は2020年。
この年、空耳アワーには大きな出来事が二つありました。
まず一つ目は、動画投稿が可能になったこと。
昨年の2019年11月8日放送の「空耳アワード2019」で、投稿者に向けてお知らせがありました。
「働き方改革に伴う業務の外部委託を進めるため、今後は空耳作品の“完パケ納品”が解禁。」
つまり、自分で映像を撮って、そのまま送ってもいいという時代が始まったのです。
テロップも、映像も、曲のタイミングもすべて投稿者次第。
これは空耳アワー史において、かなり大きな変化でした。
ちなみに、動画投稿の場合は、賞品に加えて 「空耳監督メガホン」 ももらえるようになりました。
映像付きの投稿が解禁されたことで、賞品にも新しい時代が訪れたわけです。
そして二つ目は、コロナ禍による番組休止。
2020年4月17日から10月23日までの間、空耳アワーはコロナの影響で放送を休止しました。
これはまさに一大事。長い間、あの空耳の時間が消えたのです。
その後、10月23日以降は不定期で、タモリ倶楽部内で1年に2回ほどの空耳アワー特番が放送されるようになりました。
コロナが大人しくなっても、通常放送の空耳アワーはもう戻ってこなくなりました。
そして、僕の空耳は採用ゼロ。
でも、もうその頃にはあまり寂しさはなく、「まぁ、そうだよな」くらいの軽い気持ちで受け止めていました。
2020年の空耳アワー成績
採用回数:0回
そして、2021年になりました。
ここで僕は、ふとあることを思い出します。
「そういえば僕、まだTシャツ持ってない」
そうなんです。
ジャンパーは2着も持っているくせに、Tシャツだけはまだ手に入れていなかったんです。
そこで思いました。
「動画投稿も解禁されたし、今度は動画でTシャツを狙ってみるか。」
この年から、僕は不定期で自作映像による空耳投稿を始めます。
そして『空耳アワー’21 サマーコレクション』という特番で、ついにその動画投稿の空耳が採用されました。
18 電線いっぱいや

放送日:2021年9月10日
アーティスト:アデル(Adele)
曲:ローリング・イン・ザ・ディープ(Rolling In The Deep)
評価:ミミかき
久しぶりの採用。しかも動画投稿で!
そして、動画投稿の場合、採用の前にスタッフから直接連絡が来るんです。
通常の空耳アワーは、放送で初めて「採用された」と知るものですが、動画投稿だと事情がちょっと違います。
ある日突然、スタッフから電話がかかってきて
「採用するかもしれない」
「テロップなしの映像データも欲しい」
「出演同意書を送るので記入して返送してほしい」
と、いろいろ求められる。
これが今までにない感覚で、すごくワクワクしました。
肝心の映像はというと、上を見上げて、電線をただ撮っただけ。
シンプル極まりない内容でした。
放送では、出演者たちが
タモリさん「俺もやっぱ電線好きなんだなと思いましたよ。ただね、電線もっとあるとこ、探しゃあるんじゃないかと」
安齋さん「そう思いました」
EBIさん「これ、普通ですよね」
と、「電線がたいしていっぱいじゃない」という、ごもっともな指摘を。
しかし、そんな空気の中でも、タモリさんの電線好きが功を奏して、結果はミミかき評価。
メガホンもセットで!

2021年の空耳アワー成績
採用回数:1回
獲得賞品:
ミミかき × 1 + 空耳メガホン
しかし、よくよく考えたら、欲しいのはTシャツ。
「次こそは」という気持ちが強くなり、僕は再び映像作品での投稿に挑戦することにしました。
そして、2022年。
なんと再び、僕の動画投稿による空耳が採用されました。
放送日は3月4日。
空耳アワー特番『空耳アワー’22 スプリングコレクション』での採用です。
19 池ポチャ

放送日:2022年3月4日
アーティスト:ドゥービー・ブラザーズ(The Doobie Brothers)
曲:ホワット・ア・フール・ビリーヴス(What A Fool Believes)
評価:Tシャツ
動画投稿での2回目の採用。
ドゥービー・ブラザーズの名曲『What A Fool Believes』の冒頭を、大胆にも「池ポチャ」と変換した空耳です。

映像は、僕が池に石を投げただけという超シンプルなもの。
放送で最初に流れたとき、タモリさんは「聞こえるか?」と少し懐疑的な反応。
しかし、ゲストのビビる大木さんが「聞こえちゃいましたよ。もう一回見てみましょう」と言って映像が再び流され、スタジオが「聞こえる聞こえる!」という反応に。
結果は見事、Tシャツ+メガホンの評価に!
長年いろいろ工夫してきましたが、
最終的に石を投げただけの映像でTシャツを手に入れることになるとは……。
このあっけなさも空耳アワーの魅力だと思います。
そしてついに、Tシャツを手に入れたことで、空耳アワー全賞品をコンプリートです!


壮観です。
家に空耳アワーの全賞品が揃っている・・・。
しかも、メガホンを含めた全賞品をコンプリートしたのは、僕だけだそうです。
そう思うと、本当に光栄です。
2022年の空耳アワー成績
採用回数:1回
獲得賞品:
Tシャツ × 1 + 空耳メガホン
そして、「まだまだ投稿するぞー!」という気持ちのまま迎えた2023年。
しかし突然、衝撃的なニュースが飛び込んできました。
「タモリ倶楽部、終了」。
つまり、それは空耳アワーの終了を意味していました。
いつまでも続くものだと思っていた番組が、終わる。
ネットもその話題で持ちきりでした。
最終回の直前には空耳アワーの特番も放送されましたが、残念ながら僕の作品は採用されませんでした。
それでも、タモリ倶楽部が終わる前に、ギリギリで全賞品をコンプリートできた。
それだけで十分すぎるほど幸運でした。
空耳アワーが終わったとき、意外にも喪失感はありませんでした。
かつて投稿に熱中して、四六時中そのことばかり考えていた頃は、空耳アワーが終わるなんて想像もできなかったです。
でも、いざ終わってみると、「あぁ、そうか。終わったんだな」と、意外とあっさり受け入れられました。
もちろん、
「空耳アワードでグランプリを取りたかった」
「もっと採用されたかった」
「せめて20回は採用されたかった」
そんな気持ちはありました。
でも同時に、「もう長いことやったし、これでいいか」と思えたのも事実でした。
そして、少しだけ安堵もありました。
これまで僕は空耳を見つけるために洋楽を聴いていて、純粋に音楽を楽しむことができていなかった。
歌詞のない曲は、空耳が見つからないからと聴かなかったりもした。
でも、もうこれからは自由に音楽を聴ける。
空耳を無理に探さなくてもいい。
そして、空耳アワーでは、批判されたり、何百枚も送っても全く採用されなかったり、苦しいこともたくさんありました。
でも、僕の空耳でタモリさん、安齋さん、スタッフ、ゲスト、そして視聴者が笑ってくれた。
ジャンパーを2着も手に入れ、最終的には全賞品をコンプリートできた。
本当に楽しかった。
人生で一番熱中できた時間でした。
僕は、誇張抜きで空耳アワーからほとんどのことを学んだと思っています。
今の活動の中にも、空耳アワーで得た経験が生きていたり、無意識のうちに影響を受けていたりするのを感じます。
空耳アワーと出会えて、本当によかった。
心からそう思います。
2014年
ハッハッハッハッハッ ヒザ痛いわ(ミミかき)
あの鉛筆 3B(ミミかき)
静かな地域つらい静かな地域つらい静かな地域つらい 死んどけ(ミミかき)
アゴ落ちそう(手ぬぐい)
2015年
童貞発言(手ぬぐい)
棚の裏にオッサンいるっぽい(ミミかき)
ならできないじゃない!(NIGO特製ジャケット)
北九州(ミミかき)
1回目 4回目 9回目(ミミかき)
座ったらメガネくれ〜!(手ぬぐい)
平仮名だ(手ぬぐい)
尼さんじゃん またじゃん またじゃん(手ぬぐい)
2016年
性器に振動(手ぬぐい)
穴に挿したらいい(手ぬぐい)
もう濡れてる見て(手ぬぐい)
紅葉ない(カット)
2017年
あんた舐めろ もういいの? あんた舐めろ あんた舐めろ バニラあんた舐めろ(ジャンパー)
2019年
わて合成なんかい? はぁ? わて合成なん!?(ミミかき)
アキバのみんなメロン買う(カット)
2021年
電線いっぱいや(ミミかき+メガホン)
2022年
池ポチャ(Tシャツ+メガホン)
獲得賞品:
ジャンパー × 2
Tシャツ × 1
ミミかき × 8
手ぬぐい × 8
(メガホン × 2)
カット × 2(判明分)
総採用数(カットは含めない):
19回
いままで、本当にありがとうございました。
空耳アワーよ、永遠に…
いとととです。
空耳アワーの元常連。現代4コマ/網膜音楽・網膜ボカロ



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