【新アルバム発売】光分解・音楽NGインタビュー。メンバーの石の並べ方とは

インタビュー

今年2026年の4月10日、光分解が「8555」を発表した。

「アヴァンギャルド・プロペラ・ハガキ・バンド」を名乗り、東京のアングラシーンを中心に各所で度々顔を出している彼ら。新アルバムはポストパンクを中心に、ポストロック風のアルペジオを見せたり脱臼した即興を披露したりとバラエティ豊かな楽曲が揃っている。そんな彼らに興味を持ち、Water Walkではインタビューを試みたのだが……..

(光分解メンバー:古山、加藤、原)



──最近、光分解さんはアルバムを出されたそうですね。

加藤: ああ、はい。

──今回はぜひアルバムの話をお伺いしたいんですよね。特に皆さんの音楽の話をお聞きしたいんです。

古山 :あー、ちょっとね、すみません。今日、音楽を切らしてるんですよ。ちょっと入荷待ちで。

加藤: 今日、今朝発注したばかりなんで。ごめんなさい。明日だったらいけたかもしれないです….

原: 明日もわからないかも….だから音楽の話題NGで…….

──確かに、最近原材料が不足していますからね。今回はあまり触れずにインタビューさせていただこうと思います。

起床時間について


──皆さんは、今日何時に目覚めましたか?

古山 :今日は用事があったから9時ぐらいには起きてましたね。

加藤:なんか、9時とか9時半とかですかね。

古山: 用事もないのに?早いね。

原: 二度寝して。5時に起きて、寝て、9時に起きて……(笑)10時に起きました。

──あー、すごくいいですね。三度寝ですね。 とすると、皆さん、生活リズムって大切にされるんですか?

一同:う〜〜〜〜ん

古山: いや、まあ、リズムというか……。

原:そんな大それたものじゃない。

古山:そこまで言われるのは、なんかちょっと申し訳ないですよ。体が勝手にやってることだから。

──なるほど。勝手に動くもの。

古山: 勝手にやってるから。意識もしてないですね。

──そうすると、皆さん目覚ましとかかけないタイプですか?

加藤: かけなきゃいけないときはかけます。一個の指標に合わせられるから。

── 学校がある時とか、バイトがある時にはかけるわけですね。皆さんどんなものを目覚ましの音に設定されているんですか? 


古山:
起きようという気持ちがこもっていれば。

原:なんでも起きれる。

加藤:聴覚の許す限り。

古山:かんがえたこともなかったなあ

加藤:本当にないですね。

古山:今後考えよう。

──じゃあ、目覚ましをかけない時、目覚めて一番最初に耳に入る音って何ですか?

古山:なんか……(しどろもどろになりながら)やっぱ意識したこともない。布が擦れたりとかじゃないですか?

加藤: 僕、部屋の窓開けっぱなしで毎回寝るんですけど、まあ、それで聞こえてくるものはもしかしたらあるかもしれない…….。

古山: 外って風があるから。それじゃない?

加藤:そうだ、外には風があるんだよ。それなのかもしれないな。

古山: 太陽もあるんじゃない? 光で起きる。

光について

──「光」といえば……皆さん、光分解じゃないですか。

古山:そうですね。

── 普通、パッと思いつくのは「光合成」ですよね。光は何かを生み出すものというイメージです。でも今の話を聞いて、「光は破壊するもの」と皆さんは捉えていらっしゃるのかもと思ったのですけど。

古山: あらら。

加藤: なんだそれは。

── 「光は壊すもの」という思想でバンド名をつけたんですか?

古山: 光分解っていうバンド名ですが、学校のイベントで歌舞伎を見に半蔵門に行った日の出来事が由来なんです。

── はいはい。

古山: 半蔵門駅に「光解体」っていう会社があって。解体会社なんですけど。言葉も響きもいいし、「光解体」をそのままもらおうと思ったんですが、歌舞伎を見たらちょっと忘れちゃって。メンバーにメッセージで送った時には「光分解」になっちゃったっていう。そんな由来なので、イメージがあって名前をつけたわけではないんです。 でもえてして、我々はそうなってしまっているのかな。名前に引っ張られているような。

加藤:いずれにせよ、「光のように壊すもの」から着想を得ているということかと思います。 そういう土台があるから、光は壊していくものだということ。

古山:壊すような。


── 光で壊していく。かっこいいですね。

加藤: いやいやいや(笑)、そういう感じじゃない。

古山: そんな大それたものじゃないですね。

ものの並べ方について


──では、次の質問に移っていこうかなと思います。
複数のものがあるとしてください。それは例えばボールでもいいですし、積み木でもいいです。それを並べる時に、皆さんはどのようなことを意識されますか?

古山: 天気とか。風が強かったりしたら、やっぱり固めて置いといた方がいいし、室内なら地面が平らだから点々と置いても良い。

加藤: 几帳面なので並べる間隔とか考えたりします。でもその上で一個ずらしたりとかはする。

──外で並べるのと屋内で並べるのだったら、屋内の方が良いですか。

古山: どういう外かにもよるけど、基本は内側だと思う。外ではいろんな条件が入り込んできますよね。さっき言ったように風だったり。あと今回はボールとか積み木を想像しているけど、それは室内に帰属するものだから、室内に置くべきじゃないかと思う。とはいえ土とか外にあるものだとしても、外に並べると分かりにくい。
室内はニュートラルかつ人間に寄り添ってるものだから、室内がどうしても都合がいいっていうのはあります。でも、その辺は外のポテンシャル次第でどうとでもなるとも思いますね。

──なるほど。基本は室内からスタートして考える。

古山:室内がニュートラルすぎるから室内で考えちゃうというだけで、積み木が外にあって面白いなら外にも置いても良いと思う。単に街中とかだったら、外に置かない方が良いと思うけど、積み木が本来ない場所、山の中とか急斜面とか、崖とか、そういうところに積み木を置く意義はあると考えていますね。

──では次に石を一列に並べると考えてください。これをどういう順番で並べたいと思いますか。

原: それでいうと、僕はまっすぐ並べたいんですけど、多分まっすぐには並べられないんです。せめて遠くから見たらまっすぐに見えるように並べたいですね。遠くから見たらまっすぐだったら、それでいいじゃんっていう。

──石それぞれがどう並んでるかは、あんまり気にしないんですかね。全体が遠くから見たら一列になっていれば。

原:あんまり詰めすぎると人の邪魔になるから(笑)。ある程度、通行人が通れるぐらいのスペースは確保しながら、遠くから見たら一列になっていればいいですね。

──古山さんはどうでしょうか。

古山:石っていろんな要素があると思うんです。滑らかなものとか、ゴツゴツしたものとか、大きい小さい、色とか。そういう要素が、隣り合わないように並べたいです。
グラデーションになっているよりは、隣合わせた時に「いかに違うか」が見たい。だから、僕は原君よりもミクロな考え方なのかもしれない。
一列に並べるなら、等間隔になるように並べた方がいいのかなとは思います。直線とかは考えないけど、間隔が同じように並べたいですね。

──全体というより、それぞれの関係性を重視されてるんですかね。

古山: そうですね。でも、等間隔に並べるのは全体の見た目を考えた結果でもあるとは思います。優柔不断なので、全体を見ても個々を見てもいいようにしたい欲張りさがあります。

──最後に、加藤さんはどうでしょうか。

加藤:石がコピーされたように全く同じなわけがないので、大きさ、形、色がそれぞれあると思いますが、それらを等間隔に置きたいと思いますね。距離感だけで、一個一個の存在感が変わってしまうと思います。遠くから見てみたら「ここだけ空いてるぞ」とか「ここだけ間隔が遠いぞ」と目立ってくる。
それを等間隔にすると、大きさ、形がはっきり見えてくるけど、一つだけ突出して悪目立ちすることがないんです。全員が同じ距離感でいられる。
その安定性が、むしろそれぞれの面白さを引き出すんじゃないかなと思っています。


作品とはどこからどこまでか

──では最後に、作品とはどこからどこまでを指す言葉だと思いますか。

古山:作品だなって思ったら、作品って言っていいような気がしますね。
でも、批評にさらされることでもある。作品と呼んじゃったら責任を持たなきゃいけないところでもあるので。 言ったらなんでも作品になるという考えの上で、それを作品って呼んでも差し支えないかを考える必要がある。

──作品を発信する側が「これは作品としての価値がある」と考えて、それに「作品」と名付けるような。

加藤:ちょっと違いますかね。「作品」という言葉に執着してものづくりをしたことはないので、作品かどうかは外側に委ねてるところはあるかもしれないです。

原:作品である必要ないというか、世界のほとんど全部が作品なんですよね。世の中って人が全部作ってるから。
ただ作品として批評にさらされる一方で、評価されたくないものもあると思う。例えば自分のために自分が作った料理に「まずい」って言われるのは意味が分からないですよね。自分が満足すればいいんだから。そういったものを作品って言う必要もない気はしていますね。

古山:だから作品の定義っていうのは、投げかけたいもの」な気がします。 人に投げかけたいことがあれば、作品として存在できる。それは物でもいいし、考え方でもいいし。

原:飲み屋とかにいるおじさんは世界の全部を作品として見てるんですよね。

古山:なるほどね。あの人たちは、作品の敷居が低いんだ。

原:接客も作品だもん。

古山:そうそう!接客も作品だよね!あれすごいんだよ、その店の全てを表している。

加藤:割と、それぞれの人間の自分と関係させようとする範囲に依っているのかなと思います。 

──どちらかというと、制作物の外側の人が作品であるかを決めるような印象もありますね。

古山:団体として言うのであれば、我々が作品と呼ぶのは、明確にパッケージする意図があってのことです。心配しないで!でも、「作品」という現象自体も独立して考えている。評価みたいなのに照合されるのが作品の運命なんだけど、我々は何でもかんでも作品として捉えてはいる。
でも実際に「作品です」と扱う際には、責任も感じます…….子供たちを社会に出すような。

原: 世にさらす、みたいな気持ち。

── では、このインタビュー自体も作品だと思いますか?

古山:俺は結構、作品と言ってもいい気がしますよ。

加藤:作品なんじゃないですかね。 一点の目標を目指してこの時間話していたので。

古山:何より雑談じゃないからね。

原:世に放たれるという前提で話を進めてるところはありますよね。割と秩序が生まれてたりもしているし、作品といえると思っています。

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