初めまして、てるたという者です。2年程前にボカロDJイベントでとある方のパフォーマンスを観て以来、『合成音声の居場所の拡張』をテーマの一つとして音楽活動を続けております。
その一つの成果がこちら。
シンセサイザーやグルーヴボックスといった電子楽器を演奏しながら、人間の私がボーカロイドの知声、めろうと共に原口沙輔氏の「ユレ弧」と「空気」の2曲を歌う、というライブパフォーマンスです。ちなみにスマートフォンから出力しているボーカロイドの声は音量等のみを調整した、いわば素の音で、他の音はほぼ全部画面に映っている電子機材から鳴っています。
動画サイトの動画の中や、楽曲ファイルのmp3/wavファイルの中だけではなく、リアルの音楽が集う場にもボーカロイドって居ていいよな……と思い、こういうことをやってみています。
私は最近これらの合成音声に対して思うところがありまして。
合成音声を三次元に呼び寄せて会話がしたい
会話したいんです。会話と言うより、対話。
ボカロ好きな人ならこういうコンセプトの動画を見かけたことがあるかもしれない。
↑ボーカロイドとボイスロイドと人間まぜこぜでこの会話力はすごい。どんだけ時間掛けたんですか……
人間と合成音声が会話/対話してる様子を聴いてると何かすごく、そこに『居る』気がするんですよね。合成音声同士の会話も勿論良いんですけど、そこに人間という存在が交ざって会話してるのを聴くと、すごく……実在感が高まって……良い……
というわけでこちらに呼び寄せて会話をすることにしました。
東北きりたん、私と漫才をしましょう。
合成音声と会話してみたいこと、考えてみると色々と浮かんできます。ライブの間のMCとか、実況とか、ラジオっぽいことしてみたり。どれも合成音声同士の掛け合いでの動画なら大量に動画サイトにはありますが、人間と合成音声の組み合わせならまだまだ新しいアイデアが出て来そうな気がする…。
……。
漫才してみたいな……。
数か月前、私はたまたま知った動画投稿者・あすまやさんの『ふたセリフ』というシリーズを知り、ボイスロイドのネタ/お笑い系の動画をよく視聴していました。
そこからボイスロイドの漫才の動画も漁ってみたりして、めちゃくちゃ面白い動画作る人がいっぱいいるなぁと感心させられたり。
合成音声、もはや数え切れないくらいのキャラクターがいるので、実質無限の組み合わせのコンビが作れるんです。が、そこに人間という存在を加えてみるともうそれは別次元の面白さが生まれるのでは……?と思うようになり。
なんかぼーっとしてる時とかお風呂入ってる間とか、漫才のネタがどんどん頭から湧いてきて……
やるか……東北きりたんと私で漫才を……!
漫才を成立させるにはどうすれば良いのか
合成音声ソフトと人間が会話するには、
・何を話させるか考えて仕込んでおく
・なんらかの方法で、パフォーマンス中に合成音声の再生タイミングを調整する
この条件をクリアする必要があります。うひ~~~~、大変じゃん。
何かうまい方法とかないかな……
うーん……
あっ、

CDJあれば行けるんじゃないか?
CDJというかそう、DJコントローラーのジョグってやつ。こする円盤。アレをさ、波形の画面見ながらうまいこと手で調整すればさ、いけると思うんですよ、合成音声と人間の会話。
早速やってみよう!
合成音声と漫才をやる為に必要な準備
合成音声を三次元に召喚して人間と漫才をするには、それなりの準備が必要です。

合成音声にはVOICEPEAKの東北きりたんを使うことにしました。
次に、

44000円のDJコントローラーを購入。
昔買ったスマホホルダーを機材スタンドにロックして……

よし、良い感じ

これで上手く行きそうです。
セッティング図はこんな感じ。

台本の都合でELECTROCUTICAのL’azurという曲のカラオケが必要になったので、楽曲制作アプリKORG Gadgetを使ってカバーしました。

本番当日

11月の末にAiSOTOPE LOUNGEという会場で行われた「表現難民互助会」というイベントに出させて頂く機会があり、そこで披露させて頂くことにしました。
『表現したいものがあるのに表現できるステージがない、と嘆くパフォーマーを救済する為に、ジャンルやスキルを問わずあらゆるボーダーラインを撤廃したパフォーマンスの場をここに設ける』という理念の基に開催されているとのことです。
なるほど……つまり、私ときりたん、人間と機械という奇妙なコンビが漫才を披露出来る場はここくらいってことかい!!
合成音声と人間の漫才(動画)
イベント終盤の、ほんとに一番最後から2番目という出番でビビり散らかしておりましたが、無事にやりきりました。
今後の課題・展望

改めて写真を見てみると、漫才中のコンビにはとても見えませんね…。
人間(私)の長い台詞がしどろもどろになっていたり、オートチューンを切り替えるところで詰まる感じがしているのは今後の課題にしようかと思います。
ともかく漫才でこんなに喝采を受けるのは初めての経験なので嬉しいですね。まあ漫才披露するのも初めてなんですけど。
今後も音楽制作の片手間に、人間と合成音声のコンビで漫才やラジオ、実況など様々なことにも手を出してみたいなと思います。記事を読んでいただきどうもありがとうございました。




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